【OB発表会】
松江泰寛先生(本施設OB、本施設非常勤講師、松江はりきゅう治療院 院長)
「ぼーっと生きてんじゃねーよ!!マネーリテラシー:鍼灸師が知っておくべき、お金・経済の話」
松江先生は数年前より、母校理療臨床部の非常勤講師を務められています。
アメリカでは、ここ最近公立小学校においても「お金・経済」の教育が始まっているそうです。しかし日本では「お金」に対する教育は現在全くされていない・・・。松江先生は、鍼灸マッサージ師にももっとマネー教育が必要との思いから、理療科の教室や研修生にもそうした講義をされてきました。
講義は、回復の見込めない患者が入所する、介護療養型病棟の費用の説明から始まりました。入所は月額約30万円、払えなければ自宅で介護。そして人生100歳時代の今、定年後〜死亡までに1億円を貯金するか、定年後も30万円/月は稼ぐ必要があるとのこと。
また、今日のアメリカでは、労働人口の1/3が無職、国民の1/3が医療費を払えず、医療費を払った末の自己破産者も多いこと等を挙げ、そして、アメリカで起きている事は、数年後遅れて必ず日本でも起きているという事を警告されていました。
AIの発展により、医師や弁護士、銀行員といった頭脳労働でさえとって代わられている可能性があること、仮想通貨や電子マネー等の台頭により、第4次産業革命が起きていて、貨幣や銀行といったものが大きく変化しているにも関わらず大半の日本人が気づいていないことも挙げられました。
「昭和時代」の発想のまま、通常の労働の仕方をし続けている人と資産収入で生活している人の格差が年々広がっていること。税金や物価の値上げなどによる手取りの減少に気づいていない「茹でカエル」状態であること。
WHO の健康の定義には『身体・心・経済』の充足が挙げられているのに、医療従事者は経済に意識が全く向いていない事も挙げられていました。
講演の最後には、副業をすること、 会社員もしくは事業主という立場から、ビジネスオーナーもしくは投資家に移行し、不労収入を持つことが大事。さもなくば有資格者がワーキングプアになってしまうとの結論でまとめられました。
【特別講演会】
緒方昭広先生(本施設施設長、筑波大学人間系教授)
@私の研究ー鍼通電刺激は精神性発汗(ストレス)を緩和できるかー
Aミャンマー支援事業の紹介
緒方昭広先生は現在の母校理療臨床部の施設長です。元々、専攻生の出身で、宮本俊和先生、佐々木一郎先生、 形井秀一先生などと近い時代を過ごされたそうです。
現在まで、筑波技術大学等で慢性疼痛を主に臨床をなさってきたそうです。諸々の学会、協会に所属され、訪問マッサージや訪問鍼灸分野での啓蒙・教育にも注力されてきたそうです。
また、愛知医科大で精神性発汗に対する鍼通電の研究をされてきたそうで、今回はその事を主に講演頂きました。
当時、鎮痛についてはメカニズムの研究が進んできていたものの、自律神経系への作用はそれほど進んでいなかったため、自律神経系の評価の一つとして、発汗に着目したそうです。
手を刺激した場合の手、足の発汗、足を刺激した場合の足、手の発汗、両側の刺激、片側の刺激、そして周波数による違いなど、様々な条件で研究されたそうで、とても興味深いものでした。
また、ミャンマーにおいて視覚障害者支援事業もなされてきたとの事で、そのことについてもご講演頂きました。ミャンマーで視覚障害者の鍼灸マッサージ資格をつくる活動や、マッサージの資格講習会を盲学校で行うなど、現地に溶け込んでの活動の一端を見せて頂けました。
そして総会の後、毎々のように懇親会でも多くの方がそのまま参加され、母校の緒方施設長、恒松先生も御参席頂き、皆様大いに盛り上がるなかであっという間にお開きの時間となりました。
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文責:事務局 矢野健太郎(研修生OB)
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