2015年04月11日

第7回 つくし会 総会

3月29日(日)、第7回つくし会総会が行われました。本会も設立から7年が経ちました。会員の皆様、いつも会の運営にご協力いただき、ありがとうございます。

それではまずOB・OG活動報告の模様をお伝えします。はじめに近藤宏先生の発表です。近藤先生は、今年3月に筑波大学大学院で博士号を取得されました。それも含めての発表でした。現在は筑波技術大学で研究、教育、臨床と活躍されています。大学組織では、どれだけ業績をあげたかが個人はもとより大学の評価となるため、研究発表活動はやはり重要とのことで、これまでに論文4本、発表も10数回行われたそうです。これまでに執筆した論文について、それぞれの概要を説明して頂けました。

・サッカー選手を被験者として、腰部脊柱起立筋の筋活動の左右差に対する低周波鍼通電
・多裂筋の反応時間の遅延に対する低周波鍼通電
・在宅医療マッサージに関する調査研究
・資格障害者の按摩マッサージ指圧師養成過程の国家試験合格状況と卒業後の進路実態調査
など

初めての英文での論文執筆では、一度却下されたが、 編集者の方の協力を得て英語文章の改善や考察の再考を繰り返し、苦労を重ねて承認されたことを話されました。

最後に、近藤宏先生の考えるプロフェッショナルについて語られました。

・仕事に無駄がない
・ときめき、光り輝き続ける
・同じ姿勢で同じ情熱を傾け、向上し続ける

いい言葉ですね!
同窓の皆さん、研究、教育、臨床、それぞれの道でお互い地道に頑張りましょう!

近藤先生_1.jpg

続いて、福島正也先生の発表です。福島先生ほど、研究、教育、臨床をそれぞれに追求してきた人は珍しいのではと思うほど、研鑚の経歴を積んできた方でした。我が母校の教員養成科、専攻科、非常勤講師などをはじめ、盲学校教員や、筑波大学大学院、昭和大学医学部の博士号取得、そして筑波技術大学 東西医学統合医療センターへ。特に、昭和大学医学部でのラットを用いた研究はとても興味深いものに感じられました。

社会的孤立ストレスに晒したラットに対して、円皮鍼を行った場合の生理学的効果を研究され、複数の学会で発表されたとの事です。昭和大学の医師の方々や、想定外にも獣医関連の方々からも興味を持って見て頂けたとの事で、今後も発展的な研究がなされるかも知れませんね。福島先生自身も、出てきたデータをみて、こんな短い鍼でさえ生理学的効果がだせるということに驚かれたそうです。

福島先生_2.jpg

最後に青木広光先生の発表です。青木先生は、母校で5年間の研修生活、またつくば市本学のトレーニングクリニックで3年間を過ごした後、熊本市内でトップクラスの規模の鍼灸院を開設され、すでに10年近くが過ぎました。

現在、鍼灸院の通常業務の他にも、地域包括ケアシステムのなかに鍼灸マッサージ師も参入すべきとの思いで介護予防事業にも参入されています。そして、行政や地元師会と連携し、単なるビジネスとしてだけでないモデル事業のような活動をされています。市の予算をもとにしての、介護予防に運動プログラム+マッサージを行った結果を鍼灸マッサージ師会で発表され、臨床の現場ながら学術的にも興味深い結果が得られていました。

参加者の痛みの強さや歩行速度、健康感が有意に改善するなど、行政側からみても興味深い結果となっていることと思います。このような活動は、研究者の方々とさらに連携しながら進められるともっと面白く発展するかも知れませんね。

青木先生_3.jpg

OB・OG活動報告の後の特別講演では、泉重樹先生にお話いただきました。冒頭から、1年間トレーニングされた英語でプレゼンして頂けました!ご本人は「一年経ってもこの程度」と謙遜されていましたが、とても流暢に話されていました!この陰に、大変な努力があったではないでしょうか。

泉先生は、法政大学にて学生ボクシングの頂点を獲り、その後、国際鍼灸専門学校から母校教員養成科、専攻生、盲学校教員、専門学校講師と経験を積み、つくば市本学の大学院にて博士号を取られました。その後、法政大学の教員に就かれました。そして昨春から一年間、米国アイダホ州Boise state university(ボイシ州立大学)に日米のアスレティックトレーナーの比較研究を目的に渡米されていました。今回は、帰国後2日目での凱旋講演でした!

うまくまとめられればと思いましたが・・・
講演は本当に濃く、充実した内容で、とてもここに書ききれません・・・

以下、箇条書きで列記させて頂きます。

●体育会系部活動の日米の違い
・コーチ、トレーナー等のスタッフはすべて大学職員
・Athletics: 体育会系部活動のことを指す。Athleticsの団体には、ほぼ、スポーツ推薦で入ってきた学生さんだけが所属している。全米で最も人気のあるスポーツは、1位NFL、2位MLB、そして3位に学生アメリカンフットボールがランクされているようで、プレーヤーである学生は報酬を得ていないものの、実質のプロである。
・ストレングス、アスレティックトレーニングともに、もの凄い設備、機器の数々・・・
・水中トレッドミルなど、こんな独創的なものまであるのか・・・
・Club: 一般学生のスポーツ活動体育会系部活動のことを指す。Clubの団体にはこの学生さん達には、学内のトレーナーは一切関わらない。これらの学生さん用にも、ストレングスやコンディショニング設備、機器などあるが、有料のジムのように運営されている。

●授業
・日米の内容の違い、 授業の違い、学生さんの取組方のちがい
・米国のATCコースは、急性外傷に最も重点を置いている。日本はどちらかというと慢性障害寄り。
・上下関係でなく、フラットな関係
・学生さんの意識の高さに驚く! 皆、しっかりと勉強している!
・しかし、何か食べながら授業を聞いていたり、とっても自由、アバウト。教員もとてもアバウト。
・ATCのコースはみな、修士以上の経歴をもって入ってきている。

●現地での鍼灸師との出会い
・現地での治療師との出会いにより、活動の幅が大きく広がった。この方との出会いにより、ATCのコースのなかでも鍼が打てることとなった。
・クリーンニードルテクニックと、Acupunctureは違う。 西洋医学的な事だけを考えて行うクリーンニードルテクニック、東西両方を考えて行うAcupuncture
・消毒は・・・術野も手指もしていなかった! でも、もちろん、治療者によってしている人もいる。
・ATCコースに関わっている整形外科医もいる。その方も、鍼治療を受けている! 「効けば何でもいいから、やってよ」 という考え方。
・今までの一般的な考え方に固執せず、新しいもの、良いものをどんどん取り入れようとする。治療師も、医師も。そしてアバウト、自由。

●まとめ
「スポーツ鍼灸師」 というものが必要ということを実感してきた。「スポーツ鍼灸師とは、静的な状態だけでなく、スポーツ特有の動的な状態をみて考え、評価、治療ができること」というコメントが、とても響きました。

泉先生_4.jpg

以上、第7回総会のレポートでした。

文責:矢野健太郎


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