演題は、筑波大学准教授、宮本俊和先生による『スポーツ選手の診かたと鍼灸マッサージ』でした。
私達がトレーニングを積んだ(積んでいる)筑波大学理療科教員養成施設では、整形外科的な検査法によって、『病態を把握する』ことを重視しておりますが、宮本先生からは『機能を把握する』ことの重要さを解説していただきました。
例えば「肩関節にインピンジメント症候群による痛みがあった場合に、疼痛部局所だけにアプローチしていても、改善は難しい。肩甲胸郭関節の可動域や肩甲帯の筋の柔軟性などの機能性をチェックし、総合的にアプローチすべき」といった考え方です。まさに筑波大学式の応用編とも言える内容だったのではないでしょうか。
このような局所と全身の機能的な関係性を考慮したうえでの、検査法の実践を臨床的な流れに沿って、頚、肩、肘、腰、股関節、膝関節、足関節と全身にわたって解説していただきました。宮本先生の熱いご指導に参加者一同、釘付けでした。
また質疑応答では、運動鍼の実際、身体各部(肘、足部など)のさらに詳細な検査法と治療のポイントについてご教授いただきました。明日の臨床から即いかせる実戦的なポイントを惜しげもなく披露していただきました。
30年以上の臨床経験を経て、円熟の域に達した宮本先生の知識と技術、そして臨床教育に対する熱意が凝縮された3時間となりました。ご参加くださった皆様にとっても、またとない機会になったことと思います。宮本先生、貴重なご講演ありがとうございました。幹事一同、御礼申し上げます。
セミナーのあとはお楽しみの懇親会です。宮本先生をはじめ、セミナー参加者のほとんどにご参加いただきました。しかもこの日の懇親会には中野秀樹元施設長も駆けつけてくださいました。お忙しいところ、ありがとうございました。久々に会う仲間同士の近況報告にはじまり、情報交換、臨床談義、くだけた雑談トークへと、皆さん話に花が咲いていたようです。
今後も楽しく有意義な企画を催していきたいと考えております。現役の専攻生、研修生の皆様、OB・OGの先生方、ぜひまた大勢で集まって一緒に勉強しましょう!よろしくお願い申し上げます。
文責 堀雅史