2017年02月23日

第9回 つくし会 総会

2月19日(日)、第9回つくし会総会が行われました。本会も設立から9年が経ちました。以下、当日の発表について報告させて頂きます。

【OB・OG活動事例報告】

「障がい者福祉における自立訓練(機能訓練)施設での活動報告」
丸山真一先生(研修生OB:湯沢トレーニングセンター勤務)


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丸山先生の勤務先は整形外科・リハビリ科医院に併設された通所リハビリテーション施設(デイケア)です。
その施設・設備や、そこで行なっている訓練についてご紹介頂きました。

スタッフ5名のうち、機能訓練指導員として直接携わるスタッフは丸山先生1名のみで、利用者8名のトレーニングの個別メニュー立案、実施を担当されているそうです。

エアロバイク ミルキングアクション、手指の巧緻性トレーニングのための各種器具、パワープレート(3次元高速振動を生み出す加速度トレーニングマシン)、EMSなどなどの設備、器具を利用者の疾患・状態に合わせプログラムし、加えて、ストレッチやマッサージなど徒手療法も加えているとの事です。

機能訓練指導員はPT、OT以外にも、私達のような鍼灸マッサージ師も就ける業務、そこで利用者一人一人に向き合った仕事ができることに丸山先生はやりがいを感じているとの事でした。


「障がい者スポーツにおけるトレーナー活動報告」
竹下直人先生(研修生OB:竹下治療院開業)


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竹下先生は研修生修了後、出張専業として開業しつつ、OBの廻谷滋先生の治療院にも非常勤で勤め、廻谷先生とさまざまな活動をともにし現在まで活動されてきたそうです。

その活動の中、廻谷先生との会話で障がい者スポーツトレーナーという資格があることを知り、縁あって盲人マラソン協会の強化合宿にボランティアとして参加できるようになった経緯などを発表されました。

合宿という現場の経験を積みながら日本陸上競技連盟認定トレーナーや、日本障がい者スポーツ協会公認障害者スポーツトレーナーの資格を取得したそうです。

選手の故障や愁訴は、健常者の長距離選手によくみられるシンスプリントや腸脛靭帯炎などに加え、ブラインドマラソンの特徴として伴走の際お互いにロープを掴んで走ることで掴んでいる側の肩甲骨周りの張りが強いとの訴えがとても多いとの事でした。

サポート内容としては、強化合宿に帯同しての鍼灸マッサージ治療に加え、練習時の給水や、合宿以外での週一回の早朝練習の伴走まで行っているとの事、ボランティアとはいえ徹底したサポートをされています。
2020年の東京パラリンピックに向けて、今後も可能な範囲でサポートできればとの事でした。


「体操選手から鍼灸教員へ」
西村静子先生(専攻生OG:国際鍼灸専門学校教員)


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西村先生が体操を始め、鍼灸と出会い、筑波大で宮本先生と出会い、鍼灸を志し、そして教員になるまでの経緯をお話し頂きました。

小学1年時より体操を始められ、高校時には関東大会まで出場されたそうですが、高1の時に足関節を捻挫していたとの事。そのときは、数ヶ月歩くのも痛かったのが、たった一度の鍼治療で走れるまでに回復されたそうです。

筑波大学に進学されてからは、腰椎分離症などに悩まれたそうですが、トレーニングクリニックで宮本俊和先生の治療を受けるようになったとの事です。

そこが運命の出会いの一つだったそうで、様々な故障を宮本先生の手厚いケアもあって克服され、全日本インカレ4位など輝かしい成績を残されました。そして、宮本先生の姿に憧れ、鍼灸マッサージ師を志したそうです。

その後、我らが母校の専攻生、さらに東京衛生学園教育専攻科を経て、教員として学生に教鞭をとりつつ、日々臨床にも当たっているとの事です。

また、筑波大、鍼灸学校、理療科、教員養成科でそれぞれ研究活動もなされてきたとの事、それらは宮本先生や吉川先生が導いてくれたことも大きいと語られていました。

発表を聞いていて、西村先生の頑張っている姿をずっと見ていたからこそ、先生方が導いてくれたのではないかと思いました。最後に、教職以外にも、1児の母として日々奮闘されている姿を見せて頂けました。


【特別講演会】

「解剖生理学・顔学からの美顔はり」
土門奏先生(専攻生OG:土門治療院開業)


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土門先生は当初は教員をしていたものの、開業鍼灸師としてもやって行きたいと思いが芽生え、育った地元で開業されました。

開業当初は美容鍼灸には全く興味もなかったそうですが、たまたま患者さんからのリクエストで美容鍼灸をやることになり、世間でなされていた色々な美容鍼灸の方法に疑問を持ったそうです。

なぜ、ほうれい線に鍼を打つのか? ほうれい線などのシワはなぜできるのか・・・? 疾患のメカニズムや、鍼灸の治効機序を考えずに施術しているように思えてならない方法に納得がいかず、多岐の方面から様々な文献を調べ、美顔のための方法を追求されてきたようです。

まさに我らが母校での臨床の考え方を忠実に守っている姿と思います。そして、ほうれい線などの大ジワに絶対針を打たないという、土門先生のオリジナルな方法が確立されたようです。

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土門先生の発表内容は極めて論理的で、非常に頭に抵抗なく入ってくるものでした。あまりに濃すぎて、ここでは書ききれませんが、ぜひご興味のある方は土門先生のセミナー等に参加されたり、書籍を御一読されることをお勧め致します。

そして総会の後、毎々のように懇親会でも多くの方がそのまま参加され、発表された先生方や母校の濱田先生、恒松先生も御参席頂き、皆様大いに盛り上がるなかであっという間にお開きの時間となりました。

文責:事務局 矢野健太郎(研修生OB)

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2016年02月25日

第8回 つくし会 総会

2月21日(日)、第8回つくし会総会が行われました。本会も設立から8年が経ちました。
以下、当日の発表について報告させて頂きます。

【特別講演会】

「地域連携の基本 〜医師との連携技術〜」
長谷川尚哉先生
大磯治療院 院長

社会医療法人三思会 とうめい厚木クリニック統合医療療法科 鍼灸マッサージ師
日本東洋医学系物理療法学会 理事
神奈川衛生学園 非常勤講師
病鍼連携連絡協議会 世話人代表

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長谷川先生は母校での講師に従事するかたわらでご開業されて以来、医師との連携に取り組まれて来られました。これまで100名以上、鍼灸不適応疾患など精査の必要性のある患者様を適切な医療機関に受診を勧めてこられたそうです。詳細な所見のもと診療情報提供書を渡し紹介してきた結果、7割以上の医師から診療報告書を頂けるなど、医師の方々からの信頼を得られてきたそうです。その結果、医師から患者様をご紹介頂けるようになり、立地的にはさほど利便性の高くない地ながら広告費をかけずご紹介のみで院を多忙に運営されています。

「鍼灸マッサージ師は主に「未病治」の領域を実費治療でカバーすれば、疾患の早期発見早期治療にもつながり、健康寿命も伸ばし、国民医療費を下げることができる。問診や施術に長い時間が取れる我々だからこそ、早期発見が必要な疾患の疑いのある方を早めにスクリーニングし、医療機関に送ることもできる。そしてそれは、国家資格である鍼灸マッサージ師がより活躍できる場である。」というのが、長谷川先生の持論のひとつだと思います。

生涯のなかで癌に罹患する事が多く、特に高齢者においては発症率が高くなること、また、横行するリラクゼーション業界を利用される方々のなかでも、隠れた重大疾患を抱えた方が少なからずいる、このことを考え、わたしたち鍼灸マッサージ師が適切に患者様と向き合えば、患者様や医師からより信頼され、わたしたちも繁栄するという事を熱く語られました。他にも書ききれないほど、あっという間の1時間半の豊富で濃密な内容でした。

【OB・OG活動事例報告】

「勤務鍼灸師から理療科教員へ」
西村みゆき先生
 (東京都立文京盲学校 勤務)

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西村先生は現在、東京都立文京盲学校に勤務されています。先生が鍼灸マッサージの道を志してから、そこに至るまでの経緯をお話し頂きました。

高校卒業後に親族の経営する接骨院に就職して以来、この仕事に興味を持ち、やがて鍼灸専門学校、つづいてマッサージの専門学校、母校教員養成課程、母校専攻科、そして母校大学院と、つねに働きながら勉強を続けられてきたことは非常に素晴らしいことだと思いました。

現在は、文京盲学校内で主幹教諭という役職におられます。(校長−副校長−主幹教諭−主任教諭−教諭) 役職上、授業や担任業務よりも主幹としての業務に追われる毎日とのことですが、最近はミャンマーの盲学校への支援など活動の幅を広げられています。

他にも、盲学校の現状や、専攻生時代からの研究、盲学校教員に必要な指導力についての思いなどを語られていました。

「要介護高齢者の脊椎圧迫骨折後の疼痛に対する訪問鍼灸治療の症例報告」
矢野健太郎
日本レメディー 勤務)

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矢野の勤務先の訪問看護・リハビリ部門や、近隣のケアマネジャーの方々から脊椎圧迫後の痛みに悩む患者様をご紹介されることが数例重なってきたことから、外出困難な状態の高齢者で圧迫骨折後の慢性疼痛に悩む方々に対する鍼灸治療の可能性や限界について考えてみました。

整形外科等への通院が困難で、また通院やデイサービス等での処方やリハビリが奏功しない症例が少なからず存在していること、骨折や関節疾患をきっかけに要介護状態に陥るのは脳血管障害についで多い事などを紹介しました。

そして、経過良好であった例、また、結果として不適応であった例を挙げ、その適応などを考察してみました。

「整形外科における鍼灸師の役割」
樋口尚生先生
都立大整形外科クリニック 勤務)

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樋口先生は母校修了後より現在のスポーツ整形外科クリニックに勤務されています。その中での活動や、院外でのフィールド活動などについてお話し頂きました。

現クリニックへは、ペインクリニック外来開設に伴い鍼灸も取り入れるとのことで就職したものの、ペインの医師が退職、一旦は道が閉ざされたかという状況のなかでも地道に頑張っておられます。

理学療法士や柔道整復師など医療系の資格者の一年目は、医師の診療を補助する医療クラークの業務を続けられる中で、問診から画像所見のオーダー、診察の記録等、医師の右腕となる貴重な経験をされています。

院内の勉強会では、鍼灸についての学術的、臨床的な啓蒙もされているようです。また、院内外でも、自身の選手経験も活かし、東大野球部などのサポートをされています。

特別講演の長谷川先生の内容にも通じることもあり、懇親会でも長谷川先生と話されていたことが印象的でした。この会が、また新たな展開につながればと思いました。

そして総会の後、毎々のように懇親会でも多くの方がそのまま参加され、特別講演の長谷川先生も御参席頂き、皆様大いに盛り上がるなかであっという間にお開きの時間となりました。

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(文責:事務局 矢野健太郎)
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2015年04月11日

第7回 つくし会 総会

3月29日(日)、第7回つくし会総会が行われました。本会も設立から7年が経ちました。会員の皆様、いつも会の運営にご協力いただき、ありがとうございます。

それではまずOB・OG活動報告の模様をお伝えします。はじめに近藤宏先生の発表です。近藤先生は、今年3月に筑波大学大学院で博士号を取得されました。それも含めての発表でした。現在は筑波技術大学で研究、教育、臨床と活躍されています。大学組織では、どれだけ業績をあげたかが個人はもとより大学の評価となるため、研究発表活動はやはり重要とのことで、これまでに論文4本、発表も10数回行われたそうです。これまでに執筆した論文について、それぞれの概要を説明して頂けました。

・サッカー選手を被験者として、腰部脊柱起立筋の筋活動の左右差に対する低周波鍼通電
・多裂筋の反応時間の遅延に対する低周波鍼通電
・在宅医療マッサージに関する調査研究
・資格障害者の按摩マッサージ指圧師養成過程の国家試験合格状況と卒業後の進路実態調査
など

初めての英文での論文執筆では、一度却下されたが、 編集者の方の協力を得て英語文章の改善や考察の再考を繰り返し、苦労を重ねて承認されたことを話されました。

最後に、近藤宏先生の考えるプロフェッショナルについて語られました。

・仕事に無駄がない
・ときめき、光り輝き続ける
・同じ姿勢で同じ情熱を傾け、向上し続ける

いい言葉ですね!
同窓の皆さん、研究、教育、臨床、それぞれの道でお互い地道に頑張りましょう!

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続いて、福島正也先生の発表です。福島先生ほど、研究、教育、臨床をそれぞれに追求してきた人は珍しいのではと思うほど、研鑚の経歴を積んできた方でした。我が母校の教員養成科、専攻科、非常勤講師などをはじめ、盲学校教員や、筑波大学大学院、昭和大学医学部の博士号取得、そして筑波技術大学 東西医学統合医療センターへ。特に、昭和大学医学部でのラットを用いた研究はとても興味深いものに感じられました。

社会的孤立ストレスに晒したラットに対して、円皮鍼を行った場合の生理学的効果を研究され、複数の学会で発表されたとの事です。昭和大学の医師の方々や、想定外にも獣医関連の方々からも興味を持って見て頂けたとの事で、今後も発展的な研究がなされるかも知れませんね。福島先生自身も、出てきたデータをみて、こんな短い鍼でさえ生理学的効果がだせるということに驚かれたそうです。

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最後に青木広光先生の発表です。青木先生は、母校で5年間の研修生活、またつくば市本学のトレーニングクリニックで3年間を過ごした後、熊本市内でトップクラスの規模の鍼灸院を開設され、すでに10年近くが過ぎました。

現在、鍼灸院の通常業務の他にも、地域包括ケアシステムのなかに鍼灸マッサージ師も参入すべきとの思いで介護予防事業にも参入されています。そして、行政や地元師会と連携し、単なるビジネスとしてだけでないモデル事業のような活動をされています。市の予算をもとにしての、介護予防に運動プログラム+マッサージを行った結果を鍼灸マッサージ師会で発表され、臨床の現場ながら学術的にも興味深い結果が得られていました。

参加者の痛みの強さや歩行速度、健康感が有意に改善するなど、行政側からみても興味深い結果となっていることと思います。このような活動は、研究者の方々とさらに連携しながら進められるともっと面白く発展するかも知れませんね。

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OB・OG活動報告の後の特別講演では、泉重樹先生にお話いただきました。冒頭から、1年間トレーニングされた英語でプレゼンして頂けました!ご本人は「一年経ってもこの程度」と謙遜されていましたが、とても流暢に話されていました!この陰に、大変な努力があったではないでしょうか。

泉先生は、法政大学にて学生ボクシングの頂点を獲り、その後、国際鍼灸専門学校から母校教員養成科、専攻生、盲学校教員、専門学校講師と経験を積み、つくば市本学の大学院にて博士号を取られました。その後、法政大学の教員に就かれました。そして昨春から一年間、米国アイダホ州Boise state university(ボイシ州立大学)に日米のアスレティックトレーナーの比較研究を目的に渡米されていました。今回は、帰国後2日目での凱旋講演でした!

うまくまとめられればと思いましたが・・・
講演は本当に濃く、充実した内容で、とてもここに書ききれません・・・

以下、箇条書きで列記させて頂きます。

●体育会系部活動の日米の違い
・コーチ、トレーナー等のスタッフはすべて大学職員
・Athletics: 体育会系部活動のことを指す。Athleticsの団体には、ほぼ、スポーツ推薦で入ってきた学生さんだけが所属している。全米で最も人気のあるスポーツは、1位NFL、2位MLB、そして3位に学生アメリカンフットボールがランクされているようで、プレーヤーである学生は報酬を得ていないものの、実質のプロである。
・ストレングス、アスレティックトレーニングともに、もの凄い設備、機器の数々・・・
・水中トレッドミルなど、こんな独創的なものまであるのか・・・
・Club: 一般学生のスポーツ活動体育会系部活動のことを指す。Clubの団体にはこの学生さん達には、学内のトレーナーは一切関わらない。これらの学生さん用にも、ストレングスやコンディショニング設備、機器などあるが、有料のジムのように運営されている。

●授業
・日米の内容の違い、 授業の違い、学生さんの取組方のちがい
・米国のATCコースは、急性外傷に最も重点を置いている。日本はどちらかというと慢性障害寄り。
・上下関係でなく、フラットな関係
・学生さんの意識の高さに驚く! 皆、しっかりと勉強している!
・しかし、何か食べながら授業を聞いていたり、とっても自由、アバウト。教員もとてもアバウト。
・ATCのコースはみな、修士以上の経歴をもって入ってきている。

●現地での鍼灸師との出会い
・現地での治療師との出会いにより、活動の幅が大きく広がった。この方との出会いにより、ATCのコースのなかでも鍼が打てることとなった。
・クリーンニードルテクニックと、Acupunctureは違う。 西洋医学的な事だけを考えて行うクリーンニードルテクニック、東西両方を考えて行うAcupuncture
・消毒は・・・術野も手指もしていなかった! でも、もちろん、治療者によってしている人もいる。
・ATCコースに関わっている整形外科医もいる。その方も、鍼治療を受けている! 「効けば何でもいいから、やってよ」 という考え方。
・今までの一般的な考え方に固執せず、新しいもの、良いものをどんどん取り入れようとする。治療師も、医師も。そしてアバウト、自由。

●まとめ
「スポーツ鍼灸師」 というものが必要ということを実感してきた。「スポーツ鍼灸師とは、静的な状態だけでなく、スポーツ特有の動的な状態をみて考え、評価、治療ができること」というコメントが、とても響きました。

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以上、第7回総会のレポートでした。

文責:矢野健太郎
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2014年02月24日

第6回 つくし会総会

2月23日(日)、第6回つくし会総会が行われました。早いもので本会も設立から6年が経ちました。会員の皆様、いつも会の運営にご協力いただき、ありがとうございます。

さて、13時半からの特別講演では、東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科助教の藤本英樹先生にお越し頂き、ご専門である「運動による酸化ストレスの変動と鍼通電刺激の影響」についてお話いただきました。

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前半は、昨今、一般的にも話題に取り上げられることの少なくない、活性酸素や、酸化ストレス、抗酸化能力といった事について説明して頂きました。
また、持久性運動により抗酸化能力の増加、酸化ストレスの減少がみられる事などを説明して頂きました。

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後半は、藤本先生の研究を主に発表して頂けました。
鍼通電刺激が酸化ストレス度と抗酸化能力に及ぼす影響を鍼通電刺激群とコントロール群で比較したところ、鍼群で抗酸化能力が有意に増加したという結果や、
運動直前での大腿鍼通電刺激群とコントロール群の比較をしたところ、運動直後の過酸化脂質(脂質ヒドロぺルオキシド)の減少、抗酸化能力の増加がみられたという結果などを発表して頂けました。

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今後は、他の測定項目や運動負荷・様式、鍼の介入方法など検討を重ね、将来的にはスポーツコンディショニングやリハビリでの鍼の効果検証につなげてゆきたいというお言葉で、発表を締めくくられました。
その後も、活発な質疑がありましたが、丁寧にお応えくださりました。ありがとうございました。

特別講演後のOB・OG活動事例発表会では2名の発表が行われました。

1人目は原早苗先生の「あはきの世界に入って、患者さんと生徒さんとラットと過ごした12年間」というテーマでのお話でした。専門学校を卒業後養成施設に入り、学生・研修生・専攻生・非常勤講師とキャリアを積み重ね、それぞれの立場で患者さん・生徒さん方と接して来た中での経験談をお話頂きました。

さらに大学・大学院と進学し評価方法についての研究をされていた事、それまで経験の無かった基礎研究の分野でラットを数多く解剖していたエピソードなど、12年間の活動の中での苦労話、かけがえのない出会い、今後の展望などお話されました。

発表の内容とは関係ありませんが、先生が使用されていたpreziというプレゼン用ソフトは従来の見慣れたものと違い必要に応じてズームイン・ズームアウトを行えるなど画期的なもので興味深く、普段授業や研究発表をする機会の多い参加者からは使い方に関する質問も多数上がっていました。

2人目の発表は大内晃一先生が「枇杷葉温圧灸の効果」についてお話頂きました。温熱療法の効能、がん患者に対して行った治療効果、またご自身の身体に対して行った治療の経験談をお話されました。

大内先生は自宅で枇杷の木を栽培されているとの事で治療に適している葉の見分け方、収穫した葉の保存方法、市販されている棒灸の中で使いやすいものなどご紹介頂きすぐ臨床に使える技術をご披露頂きました。枇杷の葉に含まれているアミグダリンには浄血作用も含め多くの薬理作用があり、枇杷葉温圧灸は多くの疾患に有効とされており、このアミグダリンを含む食物を長寿郷の人々は摂取していることからも、食生活の影響も健康に大きく影響すると説明された。

その他にも世界三大長寿郷や、森下敬一博士率いる国際自然医学会の長寿郷調査団による中国の長寿郷(巴馬)の食生活や、自然放射能についての調査結果を紹介され、この調査は現地のテレビ局に取材されるなど大きな反響があったそうです。

現在、一般的に使われている処方薬は危険なものが多くそれが問題とされていない状況を訴え、それに代わる我々ができることを提供していきたいというお考えに共感致しました。

発表の後は恒例の懇親会でした。会場から近い神楽坂の路地裏にあるお店で行いました。近況報告・情報交換・開業相談など有意義なものであっという間に時間が過ぎおそらく参加者全員がまだまだ話し足りないといった状況でしたが、明日からの仕事に備えお開きとなりました。

つくし会では今後、Facebookやメールマガジン等で会員にとって有益であろう情報を発信していく予定です。皆様からのご意見等参考にさせて頂きますので何かございましたら是非お問い合わせください。

(文責 矢野・竹下)
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2013年02月18日

第五回 つくし会総会

2月17日(日)、第五回つくし会総会が行われました。早いもので本会も設立から五年が経ちました。会員の皆様、いつも会の運営にご協力いただき、ありがとうございます。

さて、13時半からの特別講演では帝京平成大学ヒューマンケア学部はり灸学科教授の久島達也先生にお越しいただき、ご専門である「鍼灸刺激が免疫系に与える影響」についてお話いただきました。

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前半は、鍼灸と免疫の研究の歴史から、生体防御の基本、過敏性腸症候群の代表的メカニズムである脳−腸相関などについて解説していただきました。

後半は、久島先生の研究発表です。うつ傾向のある被験者に暗算負荷をかけ、唾液中のsIgA等を指標に免疫力を測定し、鍼治療群とコントロール群での差を検討したという研究です。前腕の低周波鍼通電刺激で、sIgAの増加、交感神経活動抑制、副交感神経活動向上がみられたとのことでした。

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今後の課題として、複雑な生体防御系のなかのどの要素に鍼が影響しているのかを調べたいというお言葉で、発表を締めくくられました。その後も、活発な質疑がありましたが、丁寧にお応えくださりました。ありがとうございました。

特別講演の後は、施設長の宮本俊和先生から、理療科教員養成施設110周年記念行事のご案内をいただきました。

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◆シンポジウム 〜理療科教員養成施設の課題と展望〜
日時:10月19日(土)13時から
場所:筑波大学東京キャンパス文京校舎134講義室

◆祝賀会
日時:10月19日(土)18時から
場所:茗渓会館

15時20分からは、OB・OG活動事例報告です。3名の演者に発表していただきました。

まずは、佐藤卓弥先生に「尿失禁に対する運動療法について」をお話しいただきました。

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尿失禁の概説に続き、骨盤底筋訓練に代わるアプローチとしての体幹筋トレーニングの効果についての発表していただきました。体幹筋トレーニングは、骨盤底筋周囲の神経ネットワークを改善させる効果が示唆されたようです。今後の展望としては、体幹トレーニングで改善しない患者さんに対する鍼治療の効果を検証できたら、とのことでした。短時間の発表でしたが、これまでに行われた多くの実験、研究のダイジェストを一気呵成にお話いただきました。

続いて、半田美香子先生の発表です。演題は「鍼灸臨床上の手指衛生および鍼を運動療法に加える効果に関して」。ご自身の略歴から始まり、手指衛生に関する研究、鍼と運動療法に関する研究に携わるようになったきっかけについてお話いただきました。

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佐藤先生と同じく、これまでの多くの実験、研究のダイジェストをお話いただきました。指サックに関する研究は、他に取り組んでいる方が少ないので大変貴重なデータでした。また、鍼と運動療法の研究では、運動療法単独よりも鍼を合わせて行った方が、WOMAC、身体活動量において改善がみられたとのことでした。このような臨床上の実感を裏付けてくれるデータは心強い限りです。

最後は、矢野健太郎先生の発表です。矢野先生は理療研修生出身。長年、訪問・外来治療に携わりながら、登山者、ウォーカーについての臨床研究や、膝や股関節の専門医学会への参加など、精力的な活動を続け、現在に至っておられます。演題は「訪問看護ステーションに併設した訪問鍼灸部門での活動について」です。

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脊柱管狭窄症を併発したパーキンソン病患者さんの間欠破行がリハビリと鍼灸で改善した例をはじめ、重度の変形性股関節症、脳卒中後遺症と肩関節痛についての症例などをお話いただきました。鍼灸とリハビリを合わせて行うことで、それぞれ単独では得られない効果があるようです。半田先生の発表にも一脈通じるものがありますね。臨床家ならではの実地に基づく発表、おおいに参考になりました。

※各発表者の研究内容の詳細については、ぜひ過去の論文等をご参照ください。

以上を持ちまして、全ての発表が終了いたしました。つくし会の方針として「臨床、研究、教育の三分野のテーマをバランスよく取り上げる」というものがあります。今回も各先生のお力で、つくし会らしい演題がそろったのではないでしょうか。ご参加いただいた皆様にとって、多くの学びと気付きがあったことを幹事一同願っています。

次回のイベントは夏季にサマーセミナーを予定しております。詳細が決定次第、お知らせいたします。

文責・堀
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2012年02月13日

第4回 つくし会総会

2月12日(日)、寒さ和らぐ晴天のもと、第4回つくし会総会が行われました。昨年は校舎改築のため、小日向キャンパスや法政大学をお借りしてのイベント開催でしたが、今回は茗荷谷の新校舎にて開催できることになりました。

13時からの総会がつつがなくとりおこなわれた後、青木会長から濱田先生への校舎新築祝いの記念品目録贈呈がありました。現役生の皆様、楽しみにお待ちください。

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続いて13時半からはメインイベントの特別講演会です。講師はJASA公認アスレティックトレーナーの黒澤洋治先生です。

黒澤先生は、様々な競技のトップレベルの実業団、プロチームのアスレティックトレーナーとして長年活動されてきており、国内外の大会への帯同経験も非常に豊富です。また、青少年のスポーツ傷害を予防するための啓蒙活動や、アスレティックトレーナーの啓蒙活動についても積極的に取り組まれていらっしゃいます。その専門的な立場から、「これからの医療の動向について 〜アスレティックトレーナーの視点から〜」という演題でご講演いただきました。

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内容は多岐に渡り、これまで関わってこられたカヌー競技のサポート、教育委員会との連携、総合型地域スポーツクラブとの連携についてなど・・・。また、そこで行われた下肢スポーツ障害への対応としての、足部のメディカルチェックや適切な靴の選び方について具体的なレクチャーをいただきました。

「靴の顔」ってどこだか知っていましたか?内反捻挫のリスクの関係が深い、重要な要素だそうです。また、適切なサイズ(縦幅)やワイズ(横幅)は勿論のこと、踵部の大きさやフィット感などが重要とのことです。

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それからウサイン・ボルトの一歩が何cmかはご存知でしょうか?通常の歩幅は、身長マイナス100cm。速歩きで身長マイナス90cm。ボルトが全力疾走した時の歩幅はなんと2m80cmだそうです!

そんな知る人ぞ知る小話もたくさん聞かせていただきました。

講演のまとめとして「様々な分野でスポーツが普及するには、それが安全に行われることが必須。そのために治療家の皆さんがどんどん外にでていくといいと思います」というメッセージをいただきました。

質疑応答でも、足部のケアについての熱心な質問が連発。質問の挙手が止まないなか、時間切れで終了となりました。盛りだくさんの90分間でした。


特別講演会に続いて、後半は恒例のOB・OG活動事例発表会です。

まず一人目は、北海道高等盲学校教諭の入江毅先生の「北海道高等盲学校における臨床活動について」です。

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学校附属の二つの臨床施設、附属理療研修センターと学部臨床室についてご紹介いただきました。前者は教職員が施術を担当、難治性疾患の患者さんが来院される専門性の高い施術所、後者は学生さんの実習として、運動器疾患や全身調整を目的とした患者さんが主体の施術所のようです。患者さんや学生さんへのインタビュー動画も映され、臨床現場として、教育現場としての充実した雰囲気が伝わってくるプレゼンテーションでした。

二人目は、こぼり治療院の院長であり、方々の専門学校や大学の非常勤講師として活躍されている小堀孝浩先生の発表です。演題は「つくばで行ってきた臨床活動と今後について」です。

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養成施設、及び大学院での臨床活動、教育活動、研究活動。そこからつながったご縁からの開業までの経緯など、これまでの幅ひろい活動を総括するような発表でした。当日の参加者には開業されている先生も多かったので、皆さんにとってよい刺激になったことと思われます。

三人目は、筑波技術大学の近藤宏先生の発表です。近藤先生のこれまでの活動のダイジェストに加え、最新の調査研究「医療機関に従事する鍼灸マッサージ師の実態と需要動向に関する調査報告」の内容について発表していただきました。現在日本では、5600施設もの医療機関で4500名もの鍼灸師が雇用されているとのことです。鍼灸業界の今後の展望について、考えさせられる有意義な発表でした。

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そして総会の後は、お楽しみの懇親会です。

大学近くにある専攻生・研修生なじみの中華屋さん、「仙鶴楼」で黒澤先生、活動事例発表者の先生方、現役生達が集まり、楽しくにぎやかな一時を過ごしました。このような年度をこえた交流がもてることが、つくし会の良いところです。

次回のイベントは夏季に開かれる実技中心の「サマーセミナー2012」です。詳細が決定次第、HP等でお知らせいたします。幹事一同、多くの先生方のご参加をお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。

文責 堀
posted by つくし会 at 20:05| イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月04日

つくし会2011サマーセミナー

つくし会2011サマーセミナーが10月2日(日)に行われました。

今回は特別セミナーとして
がん総合センター所長、元国立がんセンター放射線診断部医長の松江寛人先生をお招きし
「超音波画像の歴史および内科領域における超音波の実際:がん症例を中心として」
というテーマでお話をして頂きました。

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松江寛人先生は国立がんセンターに38年間勤務し、がんの画像診断を専門とされていました。

日本における画像診断の歴史、またその技術を普及させる為米国の大学で教鞭をとっていた話などをお聞かせくださいました。

先生が研究されてきたお話に加え、
実際にがんに侵されている臓器の画像などのスライドもたくさん披露して頂き、
想像していた以上に病変がしっかりと写しだされているのにはとても興味を惹かれました。

超音波は侵襲が極めて少ない為出産前の赤ちゃんの画像診断に用いられるなど、
メリットが多くまだまだ医療現場で活躍できる可能性があるというお話を
熱く熱く語ってくださいました。
 

後半には日立アロカメディカル株式会社の臨床検査技師の先生をお招きし、
「整形外科領域における超音波の実際」
ということで医療現場で使用されている超音波診断装置をご用意頂き、
メカニズムや症例などを交えてお話して頂きました。

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お話の後には装置に触れてみましょうということで、
我々が実際に手にとって思い思いの部位の画像を診る時間をたっぷりと用意して頂きました。

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普段は解剖の知識と触診にのみ頼って筋や腱、神経などの位置を探る我々にとって、
ベッドサイドでタイムリーに画像として見れる装置は画期的でありとても貴重な体験となりました。
 


今回はつくし会創立以来、初めてオープン参加でセミナーを開催致しました。
事前の告知先が少なかった事や、期日が迫ってからの告知という事もあり準備が充分とはいえず改善すべき点は多々ありますが、今後もこども部屋OB、OG以外の方でも是非参加したいといったセミナーを開催出来たらと思います。

こういったテーマなら参加したいとか、おもしろい先生がいるので是非紹介したいなどございましたら、つくし会事務局までご連絡頂けると幸いです。つくし会の活動がより魅力的なものになるよう、皆様のご協力をお願い申し上げます。

(文責 竹下)
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2011年02月22日

第3回 つくし会総会

(2/25、追記しました。)

2/20、筑波大学理療科教員養成施設(小日向仮校舎)にて、第3回つくし会総会が行われました。以下、内容を記します。

◆特別講演会
佐々木公一 先生(東京医療福祉専門学校 講師) 
演題:臨床に役立つ身体の使い方

「オステオパシー」を題材に講義を進めていただきました。数あるオステオパシーの中で「カウンターストレイン」というテクニックを中心に紹介していただきました。

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聞き慣れない方もいるかと思いますが、筋肉が最も弛緩しているポジションを見つけ90秒静止(保持)するだけ、という方法です。90秒後にゆっくりと元にもどすと先ほどあった筋肉の緊張が激減しているのがわかります。(筆者は個人的に「カウンターストレイン」は、オステオパシーの中でも最も理解しやすく習得も早いテクニックだと思います。)

他にも、
・患者さんの立ち姿勢を見たあと、姿勢を微調整して数秒間力ませると首の痛みが消える
・立ち姿勢を微調整してあげると、地面に根が生えたようにがっしり立てる
・仰臥位で膝裏を圧迫すると誰でも痛いが、圧迫した時に反射的にとる姿勢に2秒間×2回負荷をかけ、再度圧迫すると今度は全く痛くない
という実演をしていただきました。こちらは「操体法」を利用した内容です。

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どれも患者さんの体からの信号(メッセージ)を受け取る事が中心になります。一方的に治療をするのではなく、治ろうとする患者さんの力に手をそえるだけです。短時間で興味深い講義と、すぐに使える複数のテクニックを実演していただくという大変有意義な時間でした。

以前、先生には目の前でスプーンを曲げる(!!)離れ業を見せていただいた事があります。「こんなの練習すれば誰でもできるよ〜」と言われた事を思い出します。「オステオパシー」や「操体」の練習はもちろんスプーン曲げにも挑戦してはいかがでしょうか。



◆OB・OG活動報告
1.川上香先生「開業から今までを振り返って」
川崎で開業しておられる先生です。理療科研修生を終えた後の、開業し現在までの奮闘ぶり、様々な思いを語っていただきました。今後開業をめざしている人の参考になったと思います。

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2.楠山寛子先生「アジアにおける鍼灸マッサージの状況 AMINでの活動報告」
「AMIN」という、アジアの視覚障害者を支援する活動の報告のお話でした。アジアの視覚障害者の現状、という知られざる状況を聞かせていただきました。家の外に出る事すら家族に許されていない視覚障害者が存在しているというショッキングな話や、生きて行く上でごく最低限の保証しかしてもらえていないという話もありました。残念ながら「AMIN」の活動は今年で終了だそうです。意義ある活動なので、何らかの形で継続できる事を願います。

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3.並木康太先生「リハビリよもやま話」
鍼灸マッサージ師の資格を持ち、理療科で研修し、理学療法士の資格を取得し現在は理学療法士として活躍している先生です。リハビリの現場で理学療法士として働きつつも、鍼灸師からの視線で見る事も決して忘れていないありがたい存在です。判りやすいスライドのもとで、熱のこもった講義が展開されました。最後には「これからの医療現場には鍼灸師が絶対必要だ」という熱いメッセージをいただきました。

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今回は前回の会に比べ発表者の時間にゆとりがあったおかげか、出席者とのやりとりも多くみられ非常に充実した内容となりました。やや出席者が少なかったのが非常に残念でした。関係者はもちろん、外部の方にも聞いてもらいたい内容なので今後ますます「つくし会」を発展させていく必要性を感じました。

総会の後は、お楽しみの懇親会です。元施設長の中野先生はじめ、養成施設ゆかりの先生方が駆けつけてくださり、楽しい一時を過ごすことができました。

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次回のイベントは夏季の実技講習会、『つくし会 サマーセミナー2011』です。詳細が決定次第、発表いたしますので、どうぞお楽しみに!

文責 堀雅史
posted by つくし会 at 11:58| イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月30日

つくし会 サマーセミナー2010

2010年8月29日の日曜日、つくし会サマーセミナー2010が開催されました。炎天下の日差しのなか、20名以上の先生方にご参加いただきました。ありがとうございました。

演題は、筑波大学准教授、宮本俊和先生による『スポーツ選手の診かたと鍼灸マッサージ』でした。

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私達がトレーニングを積んだ(積んでいる)筑波大学理療科教員養成施設では、整形外科的な検査法によって、『病態を把握する』ことを重視しておりますが、宮本先生からは『機能を把握する』ことの重要さを解説していただきました。

例えば「肩関節にインピンジメント症候群による痛みがあった場合に、疼痛部局所だけにアプローチしていても、改善は難しい。肩甲胸郭関節の可動域や肩甲帯の筋の柔軟性などの機能性をチェックし、総合的にアプローチすべき」といった考え方です。まさに筑波大学式の応用編とも言える内容だったのではないでしょうか。

このような局所と全身の機能的な関係性を考慮したうえでの、検査法の実践を臨床的な流れに沿って、頚、肩、肘、腰、股関節、膝関節、足関節と全身にわたって解説していただきました。宮本先生の熱いご指導に参加者一同、釘付けでした。

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また質疑応答では、運動鍼の実際、身体各部(肘、足部など)のさらに詳細な検査法と治療のポイントについてご教授いただきました。明日の臨床から即いかせる実戦的なポイントを惜しげもなく披露していただきました。

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30年以上の臨床経験を経て、円熟の域に達した宮本先生の知識と技術、そして臨床教育に対する熱意が凝縮された3時間となりました。ご参加くださった皆様にとっても、またとない機会になったことと思います。宮本先生、貴重なご講演ありがとうございました。幹事一同、御礼申し上げます。

セミナーのあとはお楽しみの懇親会です。宮本先生をはじめ、セミナー参加者のほとんどにご参加いただきました。しかもこの日の懇親会には中野秀樹元施設長も駆けつけてくださいました。お忙しいところ、ありがとうございました。久々に会う仲間同士の近況報告にはじまり、情報交換、臨床談義、くだけた雑談トークへと、皆さん話に花が咲いていたようです。

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今後も楽しく有意義な企画を催していきたいと考えております。現役の専攻生、研修生の皆様、OB・OGの先生方、ぜひまた大勢で集まって一緒に勉強しましょう!よろしくお願い申し上げます。

文責 堀雅史
posted by つくし会 at 11:44| Comment(2) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月09日

つくし会 2009年サマーセミナー

つくし会 2009年サマーセミナー が8月2日(日)に行われました

講師 :濱田淳 先生
演題 :馬尾神経刺激法 −棘間アプローチ−(実技セミナー) 
概要 :
腰神経、仙骨神経に対する刺激方法としては、椎間孔外(いわゆる「神経根パルス」であるが、名称としては間違い)アプローチ、仙骨孔アプローチなどが行われている。
今回、腰椎棘突起を刺入ガイドとしたアプローチを紹介する。これは正中法と傍正中法の2方式があり、それぞれ特徴がある。基本的な刺入技術があれば、使用する鍼も入手しやすいので、日常の臨床において活用できる。腰部脊柱管狭窄症、腰部椎間板ヘルニア、神経根障害、泌尿器科疾患など応用の幅は広いと考える。

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最初、題名を聞いた時の第一印象は「え? また何て刺激的な・・・」でしたが、
当日実際に1時間の講義を聞き、案外安全かつ効果的な刺鍼法かもしれないと実感しました。

濱田先生の3時間に渡る、熱心な講義と実技指導が繰り広げられました。

講義の要点は
・棘突起と棘突起との間に鍼が入るのが可能だという事。
・そのまま刺入してもセイリンの鍼ならば、柔らかく直進しないので、柔らかい組織に沿って進むため、硬膜を貫通する事にはならない。
・わずかな電流量で下肢の大部分が筋収縮する事。
・胸椎や頸椎でも同様の刺鍼法が可能である事。
・2寸の3番鍼(女性ならば寸6の3番鍼)で出来るので、慣れれば臀部での坐骨神経パルスよりも楽であり、患者への負担が少ない刺鍼法である事。

脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアに対する鍼治療に大きな可能性がありそうです。

なによりも押手の大切さを再確認させていただきました。
初心に戻る事は大事です。次回はもっと大勢の参加をお待ちしています。

濱田先生の言葉を借りれば「秘密結社」の講演会です。
理療科ならではのテーマがこれからも聞けるかと思います。

濱田先生のさらなる御活躍をお祈りします。

(当日の画像は後日アップします)
posted by つくし会 at 18:28| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする